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商標登録コラム

webサイトやネットショップの名前、ドメインは、商標登録できますか?

消費者がwebサイトに記載された情報をもとに検索し、その信用を判断することになるのが、インターネットのビジネスです。

そこでは、実際の商品やサービスを目にすることができる通常のビジネス以上に、商品やサービスを選ぶ目印となる「商標」が、非常に大きな役割を果たすことになります。

今回は、このネットビジネスで重要になるネットショップ名やドメイン名の商標登録、そして商標法、不正競争防止法との関係についてご説明します。

webサイトやネットショップの名前は、商標登録できる?

webサイトやネットショップのネーミングやロゴも、商標登録できます。

会社名や小売店の商号とおなじように、ショップ名やロゴマークが消費者にとって商品やサービスを選ぶうえでとても大きな意味を持つネットショップ。

以前はこうしたネットショップでも、一度に多くの商品を扱う小売サービスを商標登録出願の指定役務(サービス)で指定するには、取り扱うすべての商品を指定する必要があり、その登録には大変な手間と費用がかかりました。

しかし、平成17年の商標法改正により新設された「小売等役務商標制度」により、小売サービス自体を役務として一括して登録できるようになり、個人や中小企業でも、手軽にショップ名の商標登録ができるようになっています。

日本の商標登録では、商標登録出願し、特許庁の審査で合格して登録が認められた順に、商標権が発生する「先願主義」を採用しています。

そのため、商標登録していないネットショップが軌道に乗りはじめてから、そのショップ名を他者に先に商標登録されるようなことがあれば、せっかく育てたネットショップの名称で使用差し止めを受けたり、損害賠償請求を受けたりと、商標法上おおきなトラブルに巻き込まれることもありえます。

こうしたビジネスのリスクを避けるためにも、ネットショップ名やロゴマークは、立ち上げ当初からしっかり商標登録しておくことがベストです。

ドメイン名と商標法、不正競争防止法の関係

「○○.jp」「○○.com」など、インターネットの住所にあたる文字列が「ドメイン」です。
ドメインは、希望するドメインを誰かが先に登録していなければ、審査無しで自由に取得できます。

ここで問題になるのが、ドメインと商標の関係です。

自社の社名や商品名がわかりやすいように使用されることの多いドメインでは、もしすでに、その文字列を、第三者が類似した区分で文字商標として商標登録していたばあい。
そのドメインの使用が、商標権を侵害にあたる可能性があります。

たとえば、被服・履物などの商品区分に該当する第25類と、web上で通信販売するショッピングモールの役務(サービス)区分に該当する第35類で登録済みのファッションブランドの商標を、衣類を販売するネットショップのドメインとして使用したばあいは、該当する商標権を持つ権利者から、商標法上の訴訟を提起されることは、十分考えられる事態です。

商標権では、類似商標に対する使用を差し止める権利も発生します。
登録商標から一文字だけ変えたり、別の文字列でも同じ読み方ができたりするような紛らわしいドメインは、商標権の侵害に抵触する可能性があります。

また不正競争防止法の平成13年の改正で、ドメイン名に関しても不正競争の一類型として認められ、以下のように定められました(2条1項12号)。

——
不正の利益を得る目的で、又は他人に損害を加える目的で、他人の特定商品等表示(人の業務に係る氏名、商号、商標、標章その他の商品又は役務を表示するものをいう。)と同一若しくは類似のドメイン名を使用する権利を取得し、若しくは保有し、又はそのドメイン名を使用する行為
——

つまり、商標権の侵害に該当しないケースであっても、有名、著名な表示と同一、または類似したドメインを取得、保有、使用したばあい、不正競争防止法上の問題が発生することもありえるのです。

ドメインのリスクを最小限に抑えるには?

こうしたドメイン登録のリスクを避けるには、以下の2点が大切になります。

① 他人の有名な商品名、サービス名や会社名と同一、または類似したものを避ける
② 会社名や商品名など、自分が登録することに合理的な根拠のある文字列を選ぶ

そしてさらに、独占排他的権利をもつ、自分の所有している登録商標と同一、または類似しているドメイン名を選ぶことは、最も安全なリスクヘッジとしてあげられます。

商品やサービスを選ぶ”目印”が重要なインターネット。だからこそ、大切になる商標登録

自社で開発した商品やブランドが幅広い人気を獲得して、その名前だけでも顧客を集められるようになっても、先に第三者が商標権を取得してしまえば、その商標の商品名、ネットショップ名やドメイン名などを「悪用している」のは自分ということになってしまいます。

インターネットを利用する多くのユーザーは、商品やブランドのネーミングを目印として活用しながら検索し、商品の購入やサービスを申し込む手がかりにしています。

ブランドや商品のネーミングが、これまで以上に直接的に、大きなビジネスへと繋がる重要な役割を果たしているのがインターネット時代。

商品やサービスの良いネーミングを思いついたら、なるべく早めに商標登録をしておくことは、大切な財産と権利を将来にわたって守り抜くリスクマネジメントに、大きな役割を果たすことになるのです。

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