PPAPの出願について
1.出願情報
出願人:ベストライセンス株式会社
指定商品・役務:
第9類 電気通信機械器具,理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス,救命用具,レコード,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,メトロノーム,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,電子応用機械器具,オゾン発生器,電解槽,ロケット,業務用テレビゲーム機,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,回転変流機,調相機,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,火災報知機,ガス漏れ警報器,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,消防車,消防艇,スプリンクラー消火装置,盗難警報器,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,磁心,自動車用シガーライター,抵抗線,電極,溶接マスク,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信して、及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動ゲート,青写真複写機,金銭登録機,計算尺,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,郵便切手のはり付けチェック装置,ウエイトベルト,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,潜水用機械器具,レギュレーター,アーク溶接装置,金属溶断機,検卵器,電気溶接装置,電動式扉自動開閉装置,耳栓,電子出版物,プログラム,ソフトウェア
第16類 紙類,印刷物,書画,写真,写真立て,文房具類,製図用具
第28類 遊戯用器具,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,ビリヤード用具,おもちゃ,人形,愛玩動物用おもちゃ,運動用具,スキーワックス,釣り具,昆虫採集用具,遊園地用機械器具(業務用テレビゲーム機を除く。)
第35類 広告,電気機械器具類又は電気通信機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,自動車又はその部品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,二輪自動車又はその部品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,自転車又はその部品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,列車又はその部品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,金融関連商品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,保険関連商品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ゲーム関連商品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,製図関連商品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,カラオケ関連商品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供
第39類 鉄道による輸送,車両による輸送,船舶による輸送,航空機による輸送,ガスの供給,電気の供給,熱の供給,水の供給
第41類 電子出版物の提供,知的財産情報の提供,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,スポーツの興行の企画・運営又は開催,ゲームに関する資格の付与,ゲームに関する検定の企画・実施・運営,知識の教授
第42類 電気機械器具又は電気通信機械器具に関する試験又は研究,電子計算機のプログラムの設計・検査又は保守,ウェブサイトの作成又は保守,電子計算機用プログラムの提供,気象情報の提供,計測器の貸与,電子計算機の貸与,理化学機械器具の貸与
第45類 自動車、二輪自動車、自転車、列車又は船舶に関する情報の提供,自動車、二輪自動車、自転車、列車又は船舶に関する調査又は研究,電気通信に関する情報の提供,電気通信に関する調査又は研究,新聞・放送・ニュースに関する情報の提供,新聞・放送・ニュースに関する調査又は研究,知的財産に関する情報の提供,知的財産に関する調査又は研究,ゲームに関する情報の提供,ゲームに関する調査又は研究,製図に関する情報の提供,製図に関する情報の提供,カラオケ関する情報の提供,カラオケに関する情報の提供
2.商標制度について
これは条約で決められていることであり、日本が勝手に一企業や一個人対策として認めないという制度を設けることはできません。
従って、明らかにおかしいと思われるような出願であっても特許庁は出願を受理します。
出願を受理とは、あくまで出願を受け付けただけであり、先願の地位を得る(正当な出願の場合)だけとなります。
また、出願を受理してもその後方式審査と言って、出願の条件を満たしているかの審査がされ、満たしていない場合は補正指令、対応しない場合は出願を却下します。
方式審査で審査されるのは、出願人の情報(個人または法人であるかなど)、手数料を払っているかなどです。
この方式審査を通過しない場合はいずれ却下となるのです。
しかし、制度には抜け道もありまして、本来は出願人を救済するための制度ですが悪用できる制度もあります。
例えば、出願手数料を納付しない場合はいずれ却下になるのですが、却下前に分割出願という手続きを繰り返して出願が残っている状態にするという手があります。
最初の出願が却下されても分割出願が残り、その分割出願が却下されてもそのまた分割出願が残りといった状態となります。
このような一見するとずるい手を使う出願人がいます。
特許庁では昨年、このような出願があるからと言って登録をあきらめることがないようにという異例のコメントを発表しました。
3.勘違いされている方々へ
さて、当記事を書いたのは、ニュースなどを見て何で特許庁は受理するのだちゃんと仕事しろという意見や、他国をおとしめるような発言などが目立っているため、知識がなく、コメントがあまりに的外れであるということを理解頂きたいからです。
条約で出願人としての条件を満たしていれば、出願を必ず受理しなくてはいけない旨が規定されています。特許庁が一法人や一個人に対して特別に出願を受理しないなどという行為をした場合、それは条約に違反する行為となりますので絶対にできないのです。
特許庁は出願された案件はまずすべてを受理し、その後上記したように方式審査をします。さらに方式審査を通過すると、実体審査といって登録を認めてよいかどうかの審査を行います。この実体審査が特許庁における重要な審査であり、本件に関しても仮に実体審査まで行けば、審査官がしっかりと審査をします。
従って、受理したことで特許庁を責めるような行為は知識のなさを露呈する行為であり、避けるべきでしょう。
また、本件の出願人はこの業界の人にとっては非常に有名な企業であり、元弁理士であった人間も関わっている企業ですので制度の抜け道には詳しいです。他国は関係なく、日本の企業であり日本での問題ですから他国を冒涜するようなコメントはすべきではありません。
日本及び海外でも商標ゴロといわれるようなビジネスをしている人間がおり、それを生業にしていた人間も昔は多かったです。
しかし、法制度が進み、「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標(商標法第4条第1項第7号)」や「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標(第十号から前号までに掲げるものを除く。)(同項第15号)」、「他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であつて、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。以下同じ。)をもつて使用をするもの(前各号に掲げるものを除く。)(同項第19号)」と言った商標は登録を受けられない旨が規定されています。
また、明らかに使用を目的していないような出願に関しては、商標法第3条第1項柱書(自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標・・・)の条件を満たしていないという拒絶理由通知が出されます。
従って、今後、仮に実体審査まで本件が進むようであれば、特許庁がどのような判断を下すのかを見守るべきだと考えます。