音、動き、色彩。五感で感じる『新しいタイプの商標』で認められたケース
海外では日本に先行して音や色彩のみの商標の法整備が進んでおり、日本でもこれらの商標登録が可能になれば、企業がブランド戦略を構築する上で非常に役に立ちます。そこで、日本でも音・動き・色彩・位置などを商標登録できるようになったのです。
新しいタイプの商標とは
・動き商標
文字や図形等が時間の経過に伴って変化する商標
(例:テレビやパソコンの画面に表示される、時間の経過で変化する図形や文字)
・ホログラム商標
文字や図形等がホログラフィーその他の方法により変化する商標
(見る角度によって変化する図形や文字)
・色彩のみからなる商標
単色又は複数の色彩の組合せのみからなる商標
(例:商品の包装紙などに使用される色彩)
・音商標
音楽、音声、自然音等からなる商標であり、聴覚で認識される商標
(例:CMなどに使われている企業のサウンドロゴ)
・位置商標
文字や図形等の標章を商品等に付す位置が特定される商標
(例:パソコンのキーボードについている赤色のカーソルコントロールデバイス)
新しいタイプの商標の例
例えば、映画会社「東宝」は映画のオープニングの前に流す短い「東宝」のロゴの映像を動き商標として登録しています。また、ジーンズの会社エドウィンは、ジーンズのポケット横についているタグを位置商標として登録しました。
さらに、大正製薬は栄養ドリンクのCMで使用している掛け声「ファイトー イッパーツ」を音商標にしています。小林製薬の音商標「ブルーレット おくだけ」のメロディーは、楽器名を指定して総譜の表記で登録をしているという凝ったものです。
以上より、昔からその企業の特徴を表していた音や映像などを登録している企業が多いことがわかります。企業のイメージがわくものを商標登録することで、一層識別力やブランド力を高める狙いがあるのでしょう。今後も、どんな個性あふれる商標が出てくるのかが楽しみですね。