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商標登録コラム

芸名やペンネーム、人名は商標として登録できますか?

更新日:2024/02/16

学生向けの新しい商品のネーミングとして、人気アイドルの芸名をブランドとして商標登録したい。
あるいは、地域にゆかりのある歴史上の人物の名前を、名産品の商標として登録したい。

果たしてこうした有名人の名前を、商標登録することは可能なのでしょうか?

今回は、著名人・有名人の芸名やペンネームの商標登録を検討する前に覚えておきたい、いくつかのポイントをご説明します。

芸名やペンネームを、商標登録できる条件とは?

人の名前を商標として登録するには、商標法が定める条件をクリアする必要があります。

まず、有名人やタレント本人が、自分の芸名やペンネームを商標登録することは、問題ありません。ただし、有名になると例え本人でも登録できないことがあります(レディ・ガガなど)。

しかし、他人が有名人の名前、芸名、ペンネームなどを商標登録することは、本人の人格権を保護する見地から、原則としてできません。
※人格権…名誉、自由、プライバシー、肖像など、権利者から分離不可能な個人の人格的利益を保護するための権利。氏名についても、この人格権に含まれると考えられています。

ただし、人名等についての商標登録の要件となる商標法の第4条第1項第8号では、以下のように定められています。
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他人の肖像又は他人の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を含む商標(その他人の承諾を得ているものを除く。)
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つまり、『本人の承諾を得た上であれば』、他人の名前で商標登録を受けることができるのです。
そのため、著名人が集まる芸能プロダクションなどでは、所属するタレントやアイドルの芸名を、本人の承諾を得た上で商標登録出願することは、一般的に行われている事例です。

芸能人が所属する事務所やプロダクションを移籍する、またはフリーになった場合に、以前使用していた芸名で芸能活動ができなくなるようなケースでは、こうした芸名の商標登録に関する権利関係のトラブルが発生していることも考えられます。

もし、すでに商標登録されている芸名やペンネームを、自分の商品やサービスに使用したい場合は、その商標の権利者である芸能プロダクションや著名人本人とライセンス契約を結ぶ、または交渉の上で商標権を譲渡してもらうことができれば、使用することも可能になります。

歴史上の偉人、有名人の商標登録には、一定の基準を満たす必要があります

生きている人の氏名や芸名は、本人の承諾が得られなければ、原則として商標登録できません。
しかし、歴史的な人物や、すでに他界した有名人の名前に関してはどうでしょうか。

実際、これまでにも、「豊臣秀吉」「武田信玄」「織田信長」など、誰もがその名を知っているような、歴史上の人物の名前が商標登録されています。

現行の商標法では、「現存する者(生きている人)以外の」人物名の商標登録を拒絶する、明確な規定はありません。

とはいえ、歴史上の人物の名声に、まったく関係のない他人が便乗して、その商標を独占して使用する商標権を得ることは、『公序良俗に反する商標は登録できない』という、商標法の規定に反しているといえます。

こうした状況を受け、特許庁では歴史上の人物に関して、商標登録が認められるための基準となる指針をまとめ、HP上で公開しています。著名な人名の商標登録を検討する上では、一度は目を通しておきたい資料です。

特許庁HP|歴史上の人物名(周知・著名な故人の人物名)からなる商標登録出願の取り扱いについて
http://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/pdf/syouhyoubin/42_107_04.pdf

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