第8類:手持ち工具(缶切り、電気アイロン、電気かみそり)など|商標登録の商品区分
みなさんは、「手に持って使う道具」というと何をイメージするでしょうか。
トンカチ、はさみ、包丁、スコップ、アイロン…と、人によって思い浮かべる道具は様々かと思いますが、これらは商標区分上すべて第8類に属するものです。
トンカチ、はさみ、包丁、スコップ、アイロン…と、人によって思い浮かべる道具は様々かと思いますが、これらは商標区分上すべて第8類に属するものです。
第8類には、手に持って何かを切ったり、叩いたり、挟んだりするための道具類が該当します。意外なものとしては、五徳や火消しつぼなどもこの類です。
第8類に含まれるもの・含まれないもの
第8類に含まれるものは、「各職業において工具として使用する手動式の器具」がメインとなっています。
ハンマーやこて、つるはし、すみつぼ、やすり、ドリルなど、建設現場や工事現場で使用されるような道具が中心です。そのほかは、一般の人が日常的に目にする、フォーク、スプーン、つめ切り、刺身用や肉切用などの各種包丁などもこの類に入ります。
ハンマーやこて、つるはし、すみつぼ、やすり、ドリルなど、建設現場や工事現場で使用されるような道具が中心です。そのほかは、一般の人が日常的に目にする、フォーク、スプーン、つめ切り、刺身用や肉切用などの各種包丁などもこの類に入ります。
なお、第8類には以下の製品は含まれません。
・特殊な用具
・工作機械及び原動機によって駆動する器具(第7類)
・外科用刃物類(第10類)
・携帯武器(火器)(第13類)
・ペーパーナイフ(第16類)
・フェンシング用武具(第28類)
「刀剣・模造刀剣」と「刀剣を模した置物・おもちゃの刀」は類似する?
刀剣・ナイフの製造・販売を行っている会社A(以下「A社」)が、第8類「刀、模造刀剣」を指定商品として平成22年6月に商標登録出願し、翌年1月に製品「妙法村正」が設定登録されました。
一方、別の会社B(以下「B社」)が平成24年8月に第6類「刀剣を模した金属製置物」及び第28類「おもちゃの刀」を指定商品として、同じ商品名を商標登録出願し、翌年5月に設定登録が完了しています。
それまでどちらも有効な登録商標として存在していましたが、B社の登録商標が自社のそれに類似するとして、A社が登録無効の訴えを起こしました。
一方、別の会社B(以下「B社」)が平成24年8月に第6類「刀剣を模した金属製置物」及び第28類「おもちゃの刀」を指定商品として、同じ商品名を商標登録出願し、翌年5月に設定登録が完了しています。
それまでどちらも有効な登録商標として存在していましたが、B社の登録商標が自社のそれに類似するとして、A社が登録無効の訴えを起こしました。
申立人であるA社は、B社が商標登録した商品は区分が異なるだけで、「妙法村正」の呼称・観念は同じであることや、A者の製品と同じく「刀身が金属で作られ、刀身を納める鞘と刀身を持つ柄でできている商品」であることを主張。
A社は、B社の製品が自社の商品と類似していて需要者を混乱させかねないとの旨を申し立てました。
これに対し、双方の製品は同じ「妙法村正」の呼称・観念を想起させるものとして、特許庁は双方の製品が類似していることを認めました。
しかし、A社の「模造刀剣」は法律上の規制を受けるもので、製造者・販売者が限られている製品です。一方、B社の商品は単なるインテリアとしての「金属製の置物」やおもちゃとして、一般に広く販売されています。
以上のことから、A社とB社の商品の需要者は異なり、商標登録上は問題ないものと特許庁は判断を下しました。
同じような姿・形をした商品の商標は、一見類似商標とみなされそうなものです。
しかし、商標区分や需要者の層が異なれば、両者は同一商標にはあたらないとされるのですね。