第4類:工業用油、ろうそく、ガソリンなど|商標登録の商品区分
日頃から通勤やレジャーに車を使っている人であれば、ガソリンは生活になくてはならないものです。また、家に仏壇がある人なら、ろうそくを使う機会がほかの人より多いのではないでしょうか。これらガソリンやろうそくは、商標区分上第4類に当たります。
そのほか、革靴・かばんを磨くための保革剤や、石鹸やクレヨンに使われるパーム油などもこの第4類です。以上のように、第4類は「油」や「燃やすもの」というイメージを持っておけばおおよそ間違いないでしょう。
第4類に含まれるもの・含まれないもの
第4類には、工業用の油・油脂や燃料、イルミナントを主に含みます。潤滑油や塵埃吸収剤、照明用のろうそくや灯芯もこちらに該当します。ただし、工業用の特殊な油及び油脂については第4類には含まれません。
ここで注意しておきたいのが、類似品についてです。同じ第4類の中で、天然ガスや石炭ガスなどの液体燃料と工業用グリースや潤滑油などの工業用油は異なるグループに属します。しかし、これら液体燃料と工業油は類似していると推定されます。また、液体燃料は第2類の防錆グリースとも類似すると推定されるので出願の際には注意しましょう。
すでに登録された商標の無効審判が下った「スバル事件」
富士重工業が製造販売する自動車「SUBARU」は今や誰もが知る有名な車であり、商標登録もされています。しかし、これに類似する商標「SUBARIST/スバリスト」が第4類「固形潤滑油」を指定商品として商標登録され、平成23年、富士重工業が無効審判請求を起こしたという事件がありました。
本件商標は「SUBARU」とは外観や呼称が異なるものの、「スバリスト」という名称は自動車「SUBARU」のユーザーを指す呼び名として古くから知られています。過去には、SUBARUを題材にしたテレビ番組や書籍でも、スバルの愛好家として「スバリスト」が取り上げられたこともありました。したがって、「スバリスト」が自動車「SUBARU」と何らかの関連があるものと一般人に誤認させる可能性があることは明らかです。
よって、「SUBARIST/スバリスト」は商標法4条1項15号にある「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」に該当するとして、本件商標は無効であると判断されました。
本件商標は第4類「固形潤滑油」を指定商品としているため自動車と関連があります。また、多くの「SUBARU」の愛好家たちが自らを「スバリスト」と呼んでいた事実も存在するため、本件審決は妥当と言えるのではないでしょうか。