第39類:工事・修理(建設・機械保守整備・自動車修理)など|商標登録の商品区分
私たちの暮らしを支える電気・ガス・水道。これらを供給するサービスは、第39類に入ります。また、電車やバス、タクシー、船舶、飛行機などの移動手段を提供してくれるサービスも第39類です。
その他、貨物の梱包や積み下ろし、引越しの代行などもこちらの類に含んでいます。広く、人やモノの移動に関わるサービスが第39類にあてはまると言えるでしょう。
第39類に含まれるもの・含まれないもの
第39類には、主に輸送業者によって使用される駅・橋・鉄道渡船等を運営する会社が提供するサービス、輸送用の乗物の賃貸に関連するサービス、旅行又は物品の輸送に関する情報・運賃・時刻表及び輸送方法に関する情報を提供するサービスなどが含まれています。
なお、この類には次のサービスは含んでいないため注意が必要です。
・輸送業者の広告に関する案内書の配布又はラジオによる広告のようなサービス(第35類)
・仲介業者又は旅行代理店による旅行者用小切手又は信用状の発行に関するサービス(第36類)
・人又は物品の輸送中の保険(商取引、火災又は生命に係るもの)に関するサービス(第36類)
・乗物の保守若しくは修理又は人若しくは物品の輸送に関連する物の保守若しくは修理を行うことにより提供されるサービス(第37類)
・旅行代理店又は仲介業者によるホテルの部屋の予約に関するサービス(第43類)
コーヒーの有名メーカーがバイク便の業者を訴えた「UCC事件」
コーヒーで知られるUCCホールディングスは、UCCグループ内に運送業を営む企業を抱えていることから、企業のロゴマーク「UCC」について、第39類「車両による輸送等」を指定役務として商標登録しています。
一方、バイク便事業を営む「株式会社ユー・シー・シー」も存在します。株式会社ユー・シー・シーは一般貨物自動車運送事業等を目的に平成27年1月30日に設立された会社です。
UCCはこの商号が不正競争防止法に違反するとして、ユー・シー・シーの標章の差止と商号登記の抹消を求めて大阪地裁に訴訟を提起しました。
大阪地裁は、それぞれの商号の読み方が同じであり、UCCの指定役務「車両による輸送等」もユー・シー・シーの役務(バイクによる荷物の輸送・配達)と類似すると主張。したがって、UCCの言い分が認められ、被告標章の使用差止と商号の抹消登記手続の請求が認容されることとなりました。
UCCは老舗のコーヒーブランドとして全国に名が知れ渡っており、類似した商号を登録しようとしても紛らわしくなるため実際の登録は難しいのでしょう。