第13類:火器、火工品(鉄砲、火薬、爆薬、戦車)など|商標登録の商品区分
特に日本人にとっては、あまり身近な存在とは言えない鉄砲や火薬ですが、火薬が初めて発明されたのは7世紀の中国の宋時代。11世紀には武器として使われるようになりました。やがて13世紀にはモンゴルとの戦いで使用されるようになり、モンゴル帝国皇帝のヨーロッパ遠征のときにヨーロッパに伝わったとされています。
14世紀にはヨーロッパで大砲が作られ、15世紀にはそれを小型化した火縄銃が開発されました。日本へは、1543年に種子島にやって来たポルトガル人により火縄銃が伝来し、戦国大名たちの間に広まったといいます。1575年に長篠の戦いで織田信長の鉄砲隊が武田軍の騎馬隊を破ったことは、史実として有名です。
第13類に含まれるもの・含まれないもの
第13類には、主に火器や銃砲弾、発射体、火薬類、花火が含まれています。この類に含まれるものは、「火を使って何かするもの」というイメージを持っておけばよいでしょう。鉄砲や戦車、爆弾など、主に戦場で使われるようなものが大半です。
唯一、私たちの身近にある花火もこちらの第13類に属します。かつて日常的に使われていたマッチは第34類となり、第13類には含まれません。
キューピーが第13類で商標登録!その意図とは
マヨネーズで知られるキューピーのキャラクターは、アメリカ人イラストレーターが「キューピッド」をモチーフに描いたイラストが起源だと言われています。このキューピーのキャラクターが、2015年2月に第13類「銃砲・銃砲弾・火薬・爆薬・火工品及びその補助器具・戦車」を指定商品として商標出願されました。
キューピー社によると、自社のロゴマークであるキューピー人形が同社の意図しない形で使われることを防止したものであるとのことです。
このように、他の区分での模倣を避けるためにすべての商標区分で商標出願することを、「防衛(的)出願」と言います。有名メーカーのカシオ社が、腕時計「G-SHOCK」の類似商標登録を防ぐために「A-SHOCK」から「Z-SHOCK」まで商標登録している話をご存知の方も多いと思いますが、これも模倣品が出回るのを防止するために登録されたと言われています。
キューピーが第13類を指定商品として商標出願した情報がTwitter上で発信された途端に拡散され、リツイート数がみるみるうちに1万件を突破しました。兵器・戦車などは、かわいらしいキューピーのイメージにはふさわしくありません。それだけに、このことはインターネット上で大きな話題を呼んだのでしょう。