第1類:工業用、科学用、農業用の化学品など|商標登録の商品区分
第1類に含まれるもの・含まれないもの
第1類の中では、分類が大きく10種類に分かれており、その中で品目別にさらに細かく分かれています。そのため、素人には区別の仕方がなかなかわかりにくいかもしれません。一般の方にはあまり馴染みのないものが多いですが、中にはふっ素や乳化剤、クエン酸など、巷でよく名前をみかけるものもあります。
また、化学品であっても他の区分に分かれているものについては、第1類には含まれないケースがあり、以下の6つが該当しますので出願する際には注意が必要です。
第2類:未加工天然樹脂
第5類:医学用化学品
第5類:殺菌剤、除草剤及び有害動物駆除剤
第16類:文房具としての又は家庭用の接着剤
第30類:食品保存用の塩
第31類:根覆い用わら
一旦は拒絶査定されたがのちに商標登録に成功した例
工業用ゴム製品の開発・成形加工などをおこなっている中島ゴム工業株式会社が、「ACULAH」という製品について平成26年8月12日に登録出願しました。第1類「工業用接着剤,シート状に成形した工業用接着剤」を指定商品として出願したところ、査定を拒絶されたのです。その理由とは、平成19年に類似の商標「ACURA」がすでに第1類に登録されていたことでした。
しかしその後、既存の「ACURA」のほうの商標登録を取り消す旨の審決が平成28年3月に確定したため、類似の商標がなくなったと判断されました。同年4月、こうして無事に「ACULAH」が商標登録されることになったのです。
化学製品は似たような名前がたくさんあるので、登録出願の際にはどの指定商品を選べば良いのかをきちんと調べ、正確に出願することが大切になります。物質の名前から第1類にあてはまるように見えても、他の類に分類すべきケースもあるでしょう。判断がつかない場合は、早めに専門家に相談されるのがおすすめです。
なお、一つの商品を保護する場合であっても、第1類の化学品に属するもののその他の区分に属する商品、例えば第2類の塗料、第3類の化粧品、第5類の薬剤などにも属する場合があります。複数区分に跨がる可能性のある商品であれば複数区分を権利化する方が後々よいと考えます。