登録した商標の権利はいつまで有効?延長の手続きは?|商標登録の基礎知識
しかし、10年ごとの更新をくり返し行えば、半永久的に商標権を存続させることができます。
これは、特許権、意匠権、著作権など、他の知的財産と異なる大きな特徴です。
他の知的財産は、一定の期間がたったあとは、社会に共有財産とすることが、健全な産業の発展に繋がります。
対して商標権は、商品やサービスの目印となるネーミングやブランドを、他の商品・サービスと区別して、長年積み上げた信用や知名度を保護することが目的となるため、半永久的な権利の存続が可能となっているのです。
商標権の更新を受け付ける期間と手続きは?
この申請期間は、商標権の存続期間が終了する6ヶ月以内。
再審査などは必要なく、『商標権存続期間更新登録申請書』の申請と同時に更新登録料を支払えば手続きは完了し、さらに10年間、商標権を保有できます。
平成28年4月1日現在、更新登録料は一括納付で区分の数×38,800円。
5年ごとの前期、後期の分納納付のばあい、それぞれ区分の数×22,600円です。
もし、更新しなかったばあいは?
問題は、商標権者がうっかり更新の手続きを忘れてしまったばあい。
10年ごとという長いスパンの更新になるため、決して珍しくはないケースです。
こうした場合も、失効前の6ヶ月の申請期間を過ぎたあと、さらに6ヶ月以内であれば、更新登録申請は受け付けられます。
ただし、更新登録料と同額の「割増登録料」も支払うこととなるため注意が必要です。
存続期間満了後6ヶ月間の更新登録申請期間を過ぎれば、原則として更新登録はできません。
例外的なケースとして、天災など商標権者に責任のない事情により更新登録申請ができなかった場合、割増登録料を支払い更新登録の申請が可能です。
新たな知財ビジネスへ活かす商標権の更新手続き。ご相談は弊所までお気軽にお問い合わせ下さい。
いったん商標権が消滅したら、改めて商標権を取得することになります。
しかし、日本の商標権は先に登録された順に権利が発生する「先願主義」を採用しているので、他者に商標を先に出願されていれば、再び登録することはできません。
長年使い続けてきた商標であっても、商標の更新を忘れ、他者が同一商標、類似商標を登録すれば、こんどは自分が商標権の排他独占的権利を侵害に問われることになります。
知財を専任する担当者が在籍するような大企業を除き、個人や中小企業などでは、このビジネスの権利を大きく損なう「うっかりミス」は、大いに起こり得るケースです。
また、商標登録した10年前から、ビジネスで取り扱う商品やサービスの範囲が変化していれば、商標の登録区分を減らして更新にかかる経費を削減したり、新たに区分を追加登録して、今後10年の新しい知財ビジネスへ備えることも考えられます。区分を追加するには、新規に出願をする必要があります。
商標登録の更新は、大切な知的財産・権利を活かすビジネスプランを見直すまたとないチャンスです。
更新の手続き、登録区分のご検討の際は、知的財産権のプロ、弁理士の在籍する特許事務所まで、お気軽にご相談ください。