お客様から愛され、信頼されるブランドのグッドウィルを守る商標登録の重要性
類似品や粗悪品が出回るようになると、顧客が偽物をつかまされるケースも増えて、せっかく獲得したファンやリピーターからの信用を失うことにもつながります。そうならないためにも、自社ブランドや製品の商標登録をしておくことは、商業活動には欠かせない行為です。
「グッドウィル」が販売戦略の要となる
このように、「グッドウィル」とは商品やサービスに対する品質や信頼感などから生じる顧客吸引力のことです。消費者はブランド名やメーカーの商標などで商品を識別して購入することが多いため、どのようにグッドウィルを獲得するかはメーカーにとって非常に重要な課題になります。
もし、商標が無断で使用されたり悪用されることがあれば、一生懸命築いてきた顧客との信頼関係を一瞬にして失うことになりかねません。そのため、もし商標を無断使用するような悪徳業者が現れた時には、損害賠償や商標の使用差し止めを求めることができるのです。
グッドウィルが社名まで変えてしまった例
アウトドア好きならおなじみの老舗ブランド「ロゴス」は、会社設立当初「大三商事株式会社」という社名でスタートしました。1985年頃に合羽の技術を用いてゴムボートを開発し、そのネーミング「ロゴス」を商標登録したところ、のちにアウトドアブームが起きます。ブームのおかげで「ロゴス」という商標が広く知れ渡ることになり、それがグッドウィルを獲得することにつながりました。さらに「ロゴス」の名前があまりにも有名になりすぎて、「ロゴス」が社名であると誤解されることが多くなり、結果、社名も「大三商事」から「ロゴスコーポレーション」に変更せざるを得なくなったのです。
社名の変更までさせてしまうグッドウィル。ある登録商標があまりにも有名になり会社名を変えなければならなかったこの事例のように、グッドウィルが商標に蓄積された結果もたらされるインパクトは大変に大きいものあるとわかります。グッドウィルを獲得するための必須ツールである商標登録がいかに大事なことなのかが、よくお分かりになるのではないでしょうか。