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商標登録コラム

『商標権』と『意匠権』の違いとは|知的財産権の基礎知識

商標権も意匠権も、特許庁が所管する「産業財産権」に含まれます。

商標権で保護される対象には、文字や図形、さらにコーラの瓶や看板になるマスコットキャラクターなど立体的な形状まで含まれています。
商品やサービスを守るには、商標登録と意匠登録、どちらがより適しているのでしょうか?

今回は、この商標権と意匠権の違いについてご説明します。

「商標権」「意匠権」の違いとは①|それぞれの意味と役割

【意匠権】…工業製品のデザインを保護する制度

洋服、食器、家電製品や自動車。
私たちが買い物をするときは、価格や機能だけではなく、そのデザインの良しあしも、購入を決める重要なポイントです。

そのため、デザイナーは、大変な努力を費やし、ヒット商品につながるような、価値ある優れたデザインを創作しています。
もし、こうした工業製品のデザインが簡単に真似(まね)されることがあれば、商品の経済的な価値は大きく損なわれ、工業製品の開発や進歩、産業の発達も妨げられることになります。

そこで、意匠権は「意匠法」という法律で、オリジナリティーのある工業製品のデザインを保護し、模倣や類似商品を排除する、強い権利を与えているのです。

【商標権】…商品やサービスのイメージを作る目印を保護する制度

商標権は、数ある商品やサービス(役務)の中から消費者が選ぶ決め手になる、ブランドの信頼・イメージを表す「目印」を保護する制度です。

商標権者に無断で商標権が侵害されたときは、商標の使用を止めるように請求できます。侵害行為により信用やブランド価値が低下する、商品が売れなくなったなど損害が発生したばあいは、損害賠償を請求することもできます。
さらに、悪質な商標権の侵害に対しては、刑事罰が科されることもあります。

「商標権」「意匠権」の違いとは②|保護される対象の違い

意匠権の登録要件は、おおきく4つ。
①工業的利用可能性 ②新規性 ③創作の非容易性 ④先願性
が条件になります。

意匠権で保護される「デザイン」は、おおまかにいえば、「量産できる工業製品の美的デザイン」が対象です。

そのため「美的デザイン」といっても、絵画や彫刻といった芸術的な分野に含まれる著作物や、石や植物など自然物は、「量産できる工業製品」に該当せず、意匠権の保護対象にはなりません。

また、意匠権で保護の対象になるのは、視覚を通じるものに限定されています。
ただし「意匠登録されているデザイン」と「類似したデザイン」を区別する意匠権では、視覚的なデザインでも具体的な意味をもつ「文字」に関しては、保護の対象にはなりません。

対して商標権で区別されるのは「デザイン」ではなく、商品やサービスの「目印」です。

ネーミングやロゴに具体的な意味を持つ文字を含んでいても、それぞれの会社やブランドの「目印」として役立つものであれば、商標登録できます。

「商品の形状」そのものが立体商標に!

工業デザインの「新規性」が問われる意匠権の存続期間は、登録日から20年間で終了します(2007年の改正以前は15年間)。

一方、商品やサービスの築き上げた信用、ブランドの価値を守る商標権は、10年ごとの更新を行えば、半永久的に独占権が保護される、大変強い権利です。

看板的な立体物(ケンタッキーフライドチキンのカーネルサンダースや、不二家のペコちゃん人形など)は、商品やサービスの出所を示す「目印」となるため、「立体商標」として登録できます。

しかし、「商品そのもの」の立体的な形状を、工業デザインを保護する意匠登録ではなく、立体商標登録で認められるには、形を見ただけでも「あの会社・ブランドの、あの商品だ」と多くの消費者がわかるほどの目印として特許庁の審査官が判断できるだけの
証拠が必要となり、大変難しいとされてきました。

2014年に商標登録された本田技研工業のベストセラーバイク「スーパーカブ」は、自動車を含め乗り物の形状そのものが、日本ではじめて立体商標として登録された、画期的なケースです。

このスーパーカブの登録事例は、工業製品の形状そのものを、意匠権だけではなく、商標権でも保護できる可能性を広げるひとつの参考事例として、非常に大きな意味を持っています。

商標登録や意匠登録をご検討中の方は、海特許事務所までお気軽にご相談下さい。
海特許事務所では、特徴的なデザインの保護、及び、大切な商品のブランド力と価値の保護について、確かなお手伝いをさせていただきます。

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