ウェブデザインの意匠登録について|意匠権で保護されるデジタルインターフェイスデザイン
従来、デジタル画面に表示された図形や画像などのインターフェイスデザインは電子機器などに「あらかじめ記録」されたものでなければ意匠として認められていませんでした。しかし、現代は電子機器などの既存のプログラムをアップデートしたり、アプリケーションソフトをインストールしたりすることが当たり前の時代です。
従来の規定では時代にそぐわなくなってきたこともあり、2016年4月1日から「あらかじめ」要件を緩和して、機器に新たに記録された画像デザインについても意匠権による保護が認められるようになっています。
意匠登録出願の際、「意匠にかかる物品」はどう書けばよいか
機器があらかじめ有する機能に関するアップデート画像を意匠登録出願する際は、願書の「意匠にかかる物品」に経済産業省令で定める機器の名称を記載します。例えば、コピー機の画面について意匠登録したいときは、願書に「複写機」と書きます。
一方、付加機能を有する電子計算機(スマートフォンやタブレット端末等)の場合はインストールにより備わる機能を「〇〇機能付き電子計算機」と記載します。例えば、歩数計代わりになるアプリであれば「歩数計機能付き電子計算機」、デジタルカメラの機能をもつアプリであれば「カメラ機能付き電子計算機」となります。
省令で定める区分に当てはまらないものは「意匠に係る物品の説明」を記入
意匠登録出願したい物品が経済産業省令で定める区分のいずれにも属さないときは、物品の使用目的や使用状態等、登録出願したい物品について理解しやすくなるような説明を記載します。
また、具体的な機能や画像については、当該画像が物品の中でどのような機能を持つものなのかを詳細に説明しなければなりません。
さらに、「当該物品と一体として用いられる物品に表示される画像」については、テレビモニターのように、一体として用いられる機器が画面を表示するのに使われるものであることを明示することも必要です。
ただし、「〇〇機能付き電子計算機」の意匠登録出願の際に注意すべき点があります。願書とともに提出する図面には、画面とその周辺のみを記載するようにしましょう。もし、その画面と一体となる物品の全体像まで記載してしまうと、「〇〇機能付き電子計算機」ではなく、物品そのものであるとみなされてしまうからです。図面の書き方がわからない場合は、最寄りの弁理士に相談することをおすすめします。